こんばんは。
理学療法士のジェネラル(@04_01yoshi)です。
患者さんの歩行が不安定で補助具を選びたいけど
『どの歩行補助具が良いかわからない…』
と困っていませんか??
適切な補助具を使用しないと最悪の場合、転倒して怪我をさせてしまうことになります。
理学療法士が患者さんの身体機能やQOLを向上させるために介入しています。それなのに患者さんが怪我をしてしまうということになれば本末転倒です。
そうならないために今まで数百人の歩行補助具を選定した理学療法士である僕が、
『歩行補助具選定のコツ』
を紹介していきます。
この記事では、
・歩行補助具選定のコツ
・さらに歩行を安定させる方法
以上の2点を中心に書いています。
この記事は、
・理学療法学科の学生
・理学療法士としての経験が浅い方
・医療や介護職員の方
上記のような方々にオススメです。
この記事を読むことで、歩行補助具を選ぶ上で何を考えれば良いのかがわかります。
この記事を最後まで読んで患者さんの転倒リスクを極力下げられるようにしましょう。
それでは本題に移っていきます。
目次
【歩行補助具選び3つのコツ】
歩行補助具選び3つのコツは以下の通り。
・立位を評価する。
・上肢機能を評価する。
・歩行を評価する。
「歩行補助具」と言っても…
・体重を全て支えてくれる車椅子。
・体重をかけてもしっかり支えてくれる歩行器。
・体重の10〜20%程を支える杖。
上記のように様々なものがあります。
種類が多いというのは選択肢が広がり、多様な状態に対応でき、良いことが多いです。
しかし、補助具を選ぶ側が判断を誤ってしまうと逆効果になってしまう可能性すらあります。
コツを紹介したので次はそれぞれの項目を深掘りしていきます。
★立位を評価
立位の評価は歩行の前段階として必ずやらなければいけない程に重要です。
いきなり歩行から評価してしまうと補助具の選定を間違えていた場合に転倒のリスクが高くなってしまいます。
まず立位をしっかり確認しましょう。
「評価なんて難しくて出来ない…」と思う方もいるかもしれません。
しかし、ここでの評価は「観察」です。
「見るだけ」と言えば見るだけです。
ただ安全には配慮が必要ですし、ぼーっと見るだけでは何もわかりません。
そこで重要なのが立位を評価(観察)する上でのポイント。
そのポイントを3つ紹介します。
・支えなしで立っていられるか。
・ふらつきはあるか。
・膝折れはあるか。
ポイントは上記の3つ。
それぞれのポイントをさらに深掘りしていきます。
・支えなしで立っていられるか
患者さんによっては立っているだけなら割と上手に立っていられるという方も多いです。
「ふらつきも膝折れもないなら補助具なんて必要ないじゃん。」と思う方もいます。
しかし、これは「大きな間違い」です。
壊れた車が止まっているところを見て
「上手く止まってるから問題ないじゃん。」と言っているほど愚かです。
立位で安定していたとしても歩行が安定しているとは限りません。
ただ、ふらつきも膝折れもなければ
車椅子と大きい歩行器という選択肢は候補として有力ではなくなります。
完全に候補として「消し」というわけではありません。
あくまで「参考程度」に頭の中に入れておきましょう。
・ふらつきはあるか
立位でのふらつきは転倒リスクがあり危険なのはいうまでもありません。
一言にふらつきと言ってもそのふらつきが、
・介助しなければ立っていられないのか。
・介助しなくても立っていられるのか。
を確認しましょう。
介助しなければ立っていられないなら車椅子や大きめの歩行器。
介助しなくても立っていられるなら小さくて軽めの歩行器。
というように候補を頭に入れておきましょう。
・膝折れはあるか
膝折れは立位で最も危険だと言っても過言ではありません。
なぜなら「転倒のリスク」が高いからです。
膝折れが両側で生じた場合、介助者が体重を支えなければ転倒してしまいます。
立位でも歩行でも膝折れのリスクは必ず確認しましょう。
膝折れの可能性がある場合、
車椅子や大きめの歩行器で体重を支えてもらう必要があります。
車輪の付いた軽い歩行器や杖では体重を支えきれずにそのまま転倒してしまう可能性があります。
ここまで立位の評価について書きました。
次は上肢機能の評価について書いていきます。
★上肢機能を評価
歩行補助具を使用する場合、上肢の評価も必須項目です。
使用する補助具によって見るべきポイントは違いますが、それぞれ紹介していきます。
・車椅子の自走が出来るほどの機能があるか。
・両前腕で体重を支持する機能があるか。
・手関節で歩行器の方向を変えることが出来るか。
・杖を握る力があるか。
上記のように様々です。
車椅子の自走は難しそうだから介護しやすい車椅子を選択して介助者の負担を減らすのも1つの手段。
両前腕での体重支持が困難であればその力がつくまでは車椅子での移動にするのも良いと思います。
手関節に疼痛や可動域の制限があって手関節での歩行器の操作が困難な場合には前腕支持型の歩行器を選ぶのも良いでしょう。
杖を握る力がなければ反対側の手で使用出来るか評価したり歩行器に変更するのも良いです。
上肢という点だけでも色々なことを想定出来ます。
しっかりと確認しましょう。
続いて歩行の評価について書いていきます。
★歩行を評価する
本題中の本題である歩行について書いていきます。
ただ、ここまでの立位と上肢の評価がある程度しっかり出来て入ればあとは『微調整レベル』。
というのも歩行補助具の評価は
『大きいものから行う。』
のがベター。
理由は転倒リスクを下げるためです。
例えば、前腕支持型の大きめの歩行器で実際の歩行を評価したとします。
その歩行がふらつきもなく上手く歩けているようなら
『少しサイズダウンする。』
要は少し軽めのものにして体重の支持を歩行器ではなく両脚で行わせる。ということです。
歩行器の大きさが大きい場合、小回りが利かなかったり誰かと誰かの間を通ったりとなかなか面倒です。
面倒だと自然と歩行する距離が短くなったり活動量の減少に繋がります。
安定性はもちろん大事なのですが大きければ大きほど良いというわけではありません。
最後の歩行の評価で
・しっかり支えられているのか。
・歩行器は大き過ぎないか。
・歩行器は小さ過ぎないか。
・操作はしっかり出来ているか。
などの総合的な確認をするようにしましょう。
続いて、まとめとおまけを少し書いていきます。
【さらに歩行を安定させる方法】
今回の記事では、歩行補助具選び3つのコツとして
・立位を評価する。
・上肢機能を評価する。
・歩行を評価する。
上記の3点について説明させて頂きました。
実際に現場で患者さんや利用者さんにあった歩行補助具を選ぶ際に参考にしてみて下さい。
経験すればするほど経験値も上がり選定スキルはアップしていきます。
今回紹介した方法は僕のオリジナルなのであなたのオリジナルの選定方法を編み出すのも良いと思います。
最後により歩行を安定させる方法を書きます。
歩行を安定させるには
『どうすれば歩行が安定するのか。』
を僕達が患者さんや利用者さんに教えることが出来なければなりません。
患者さんや利用者さんに教えるには、
『なぜ歩行が不安定なのか』を僕達が気付けなければなりません。
ここまで言えばお分かり頂けたかと思います。
そうです。
僕達が歩行についてもっと詳しくならなければいけないのです。
ということで最後に
『歩行の勉強』
に役立つ本を紹介してこの記事を締めます。
僕が紹介する本はこちら。
ペリー 歩行分析 原著第2版 正常歩行と異常歩行/医歯薬出版株式会社より引用
僕の周りでは歩行分析が出来ないor不得意だと…
「ペリーの歩行分析って読んだことある??」
「ペリーって知ってる??」
「ペリー読んだことある??」
と聞かれるほどです。
この本を読んで少しずつ歩行に詳しくなっていけば自ずと分析が得意になり、患者さんや利用者さんにも様々な提案が出来るようになります。
理学療法士として1人の医療人として知識を身に付け多くの方の役に立てるセラピストになりましょう。
今回の記事はこれまでとさせて頂きます。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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